立憲民主党を草の根から応援&監視・チェック

#枝野立て!と言った責任上、生れたばかりの立憲民主党を応援&監視・チェックしたいと思います

大学入試の英語外部試験の件について、問題点をまとめてみました

 

以前せっかく山内康一さんが、大学入試の英語の件に触れているので(ブログはこちら⇒)問題点をまとめてみました。(別ブログで、数学や国語の件も触れているのですが、ここでは英語の外部試験の件だけまとめてみます。)。今まで教育がらみ、特に2020年大学入試がらみの発言をしている立憲議員はあまりいなかった(私が知らないだけかもしれませんが・・・)だけに、非常に嬉しく思っています。

確かに、山内康一さんがブログで述べられているように、「この変更で、どこかに利権が発生していないか」という視点での追及も是非して欲しいと思っています。しかし、私のように実際高校生も扱っている塾関係、そして高校の現場は本当に困っています。何が困っているかというと、色々なものが決まっていないのに、2020年にスタートというゴールだけが決まっている事です。

先の事と思うかもしれませんが、2020年に大学受験する生徒は既に高校1年生です。高校の現場では、「この新1年生に、どの時期に何を学ばせ、いつどの外部試験を受けさせたらよいのかが全くの手探り状態」になっているのです。以下自分の別サイトブログからの引用も含めての記載です。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点①

 採点を民間業者に委託した場合、いくらマニュアルがあり、指導をする立場の職員がいるにせよ、所詮実際に採点するのはアルバイトか、せいぜい派遣社員ということにならないのでしょうか?アルバイトや派遣社員の能力を低く見ているつもりはありませんが、『明日から採点業務・・・』とか『採点したけど、けっこういい加減なもんだった』等とSNSでつぶやく人が出ないとも限りません。また、採点者、集計者、入力者等を採用する場合に(恐らく短期間限定の採用で、しかも一時期に大量の人間の採用が必要なはず)本当にその人には受験者の親族・利害関係者等がいないということをどうやって担保するのでしょうか?

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点②

英語の民間試験導入に今回突如?(私が知らなかっただけ?)「受験回数は高3の4~12月に2回までとする」という話。

確かに、例えば、TOICEは年10回試験日がありますが、全ての都市で毎回実施ではありません。また、例えば、東北地区だと11会場の実施なので、田舎暮らしだと、泊りがけでの受験も想定されます。そういった田舎と都会の不公平さを解消するという意味で「高3で2回まで」ということにするのでしょう。

 

しかし、都会に住んでいれば、「高1、高2の段階で、練習のつもりTOICEやTOEFLを受験する」ということも容易でしょうが、田舎暮らしだとそうはいきません。やはり住んでいる場所での不公平感はなくなりません。

 

ここ数年受験に利用している大学が増えているTEAPでは、現在7月、10月、12月の年3回受験が可能で、しかも成績は2年間有効ということになっていますから、高2から受験すると合計6回のチャンスがあることになります。それとの整合性はどうするのでしょう?

⇒制度上は「高3で2回」という制限があるとして、TEAPだけではなく「高1、高2で外部試験を受けた場合」のスコアは活きてくるのかどうかが誰に聞いてもはっきりとした答えがでていない状態なのが問題です。こういった状態では、今の高1の生徒に、「今年、来年、外部試験を受けて良いものかどうか」を指導することすらできません。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点③

また、高3で2回までとなれば、高1・高2のうちに英検を取得しておこうという人が急増することも容易に想像がつきますが、試験会場・試験をする人の確保は大丈夫なのでしょうか?また、試験会場によって、スピーキングテストの面接官の差異(緩い採点・厳しい採点)は生じたりしないのでしょうか?

⇒この部分は、更に難しいことになっていて、「現在の英検(一次試験+二次試験)」は、「外部試験として認められない」などと最近発表になり、「新たな4技能を一度に試験する英検」は「外部試験として認められる方向」のようです。しかもその「新たな英検」についてはどんな試験になるのかもよく分かっていません(私の勉強不足からかも知れませんが・・・)。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点④ 

さらに 、問題なのは、高等学校での英検「自校会場」ってやつです。2級までの一次試験なら、自分の高校での英検受験をやってたりしますが、監督は高校の先生。問題も数日前には高校に届いています。届いた問題の管理だって学校、先生に任せっ放しが現状です。「自分の生徒の進路が決まるかも」となった時、事前指導の誘惑に負ける先生、学校がないと言い切れるのでしょうか?あるいは、1人で監督していたら、悪気はなくても、試験時間だって、「あっ、5分オーバーしちゃった」ということだってありえます。自校会場で、どこまで厳密性を担保できるのでしょう?そもそも、英語のスピーキングテストで、ヘッドホーン付けてインカム付けて、隣の人の声が丸聞こえの状態になったりしませんか? じゃあ、そんな厳密性の担保できない自校会場は止めにして、全部公開会場にして、例えば現在のセンター試験みたいに各大学を会場にしようってなれば、今度は運営する大学側の負担が大きくなるし、遠くの受験会場まで、場合によっては前泊して受験しなくてはいけない生徒の負担も大きくなります。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点⑤

英語外部試験導入に関する問題点としては、「点数ではなく6段階程度」で評価、という部分です。TOICE/TOEFLであれば、スコア何点から何点までは1とか2といった段階表示も可能でしょう。では英検はどうするのでしょうか?現在、大学入試の推薦、AO入試に英検を採用している大学では、大半が「英検準2級」または「英検2級」が出願要件になったりしています。6段階って、1級、準1級、2級A、2級、準2級、3級、で6段階です。まさか中学生でも受かる3級もその段階に含めるのでしょうか?また各大学が、その6段階を「出願資格」「試験免除」「得点加算」に用いることを想定しているとのことですが、その設定次第では、難関大学受験の生徒は「1級」か最低「準1級」を取らないと!ってなったりしないのでしょうか?英検のHPによれば、「2級が高校卒業程度」「準1級が大学中級程度」「1級が大学上級程度」となっていますから、少なくても難関大学受験者の多い高校での授業が、「大学レベルの英語の指導」になってしまう、(ならざるを得ない)ことにはならないのでしょうか?

 

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点⑥

最終的な入試は今と変わらないとしても、その前に高3生は「英語の外部試験」を受けることになります。しかも受ける外部試験で日程も異なります。高校現場は、定期試験の日程、文化祭、体育祭など、とても日程を組める状態にはなりません。おそらく、そういった学校行事も今後は数を減らすなどの措置を考えざるを得ない高校が出ると思います。部活動の最後の大切な大会ですら参加できない、あるいはその前に引退して勉強に専念したいという生徒も出るでしょう。

 

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点⑦

高校・中学の現場にはGTEC導入の営業がすごいようです。GTECはベネッセグループの運営。当然ベネッセグループからは学校現場にGTECのあるいはGTECを意識した教材の販売もあります。試験を運営する側とその教材販売が同一・・・どうしてそれで公平公正な運営が出来得るのでしょう?あるいは、誰かが儲かる仕組みを作った、あるいは作ろうとしている過程に、政治的関与は本当にないのでしょうか。

 

いずれにしても、そういった問題点・どうなるんだろうという現場の声を、可能であれば立憲民主党の議員の方が吸い上げて頂き、問題点を解消した上で、とにかく早く「こうやってやるんです」という文科省からの発表をしてもらえるように働きかけて頂くことを切に願います。確かに、2020年導入は無理筋だし、できればやめて欲しい気持ちでいっぱいです。どこかに利権が発生してるなら腹立たしいし、追及もして欲しいです。でも今お願いしたいのはそこではありません。おそらく2020年開始で動き出しているのは止められないと思いますから、今はせめて少しでも問題点を解消し、生徒たちに不安がないように立憲民主党としても働きかけをして欲しいと思います。現場は本当に困っています。